国語のブログ

小学校の国語を探求するブログ

もめごとを通して折り合い方を学ぶ

 鴻上尚史さんが書いた「大切な人と深くつながるために」(光村図書、令和4年)という文章を読みました。小学校6年生の教科書の中にある文章です。大切な人と深くつながるために、コミュニケーションが大切だということが書かれています。私はこの文章を読んで、コミュニケーションに対する考えが変わりました。

この文章を読む前は、コミュニケーションは、「もめごとを起こさないようにするためのもの」と考えていました。ですが、読んだ後には「もめごとがあってもうまくやっていくためのもの」と思うようになりました。

 私は小学校で教師をやっていました。子どもたちは、些細なことから口論になり、よくもめていました。もめてしまうと、子どもたちは嫌な思いをすることが多くありました。私も話を聞いて解決するのに手をとられてしまいます。そのため、なるべくもめごとが起こらないように、色々な手だてをしてきました。例えば、休み時間にろう下に出るのは禁止にするなどです。ですが、記事を読んで考えました。「もめごとを完全になくそうとするのは正しいことなのかどうか?」。もめごとをなくすことは、子どもが折り合ってやっていく練習の機会をなくしてしまっているのではないか。

 これからはもめごとがあっても、やっかいなものとして扱うのではなく、これもコミュニケーションの練習だというところも頭に入れて、対応してみようと思います。もめごとを通して、お互いが折り合うための方法を一緒に学んでいく。そんな関わり方ができれば理想です。

 

(出典)

鴻上尚史『国語⑥創造 「大切な人と深くつながるために」』(光村図書、令和4年)