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【本の紹介】「わたしの苦手なあの子」(朝比奈蓉子著)

 私は、「わたしの苦手なあの子」(朝比奈蓉子著)という本を紹介します。この本は、小学校の教科書の中で、おすすめとして、紹介されていたものです。2人の女の子が、それぞれの苦手を克服していくまでの物語です。

 2人の小学生の女の子、リサとミヒロは、それぞれ、苦手を持っています。リサは、人と心を開いてつき合うこと、ミヒロは、リサと仲良くなること。夏休みの宿題で、「苦手を克服すること」という課題を出たのをきっかけに、それぞれの苦手に向き合います。年配のおじいさんから悩みの助言を受けたり、お互い協力して、苦手克服に取り組んだりすることを通して、少しずつ苦手を乗り越えていきます。

 この物語を読んで、私が特に心に残ったのは、「グズグズなやむより、声をあげたほうが生きやすいと知ったんだ。それからわたしも変わった」という言葉です。これは、ある年配のおじいさんが、コンプレックスで悩むリサに対して、自分の経験をもとに、語った言葉です。どうして心に残ったかというと、それは自分自身に投げかけられている言葉と感じたからです。リサは、火傷で負った足の傷をコンプレックスに感じていましたが、私にも別のコンプレックスがあります。そのコンプレックスによって、リサと同じように、それを隠して、自分を好きになれないでいました。おじいさんの言葉によって、その状態を変えるには、コンプレックスを隠さず、周りに声をあげていくことが、必要な歩みなのかもしれない、と考えるようになりました。リサは、勇気を出して、少しずつ苦手を乗り越えていきました。私も、同じように、苦手を乗り越える歩みを進めてみよう、と思いました。

 このお話は、苦手のために、ふさぎ込んでしまっている人に、その苦手とどう向き合っていけばいいかを教えてくれます。みなさんも、ぜひ、読んでみてください。

 

「わたしの苦手なあの子」(朝比奈蓉子著、ポプラ社、2017年)