【詩の感想】「するめ」まど・みちお
題名:「するめ」
作者:まど・みちお
とうとう
やじるしに なって
きいている
うみは
あちらですかと・・・
<感想>
するめのかたちを矢印にたとえているところが、この詩の面白さです。僕もするめが矢印に見えたことあります。作者と同じ発想をしていることに、うれしくなりました。
するめになる前を想像してみました。もとは、陸の上で海を探して迷子になっている、生のいかだったのだろうか。海に行きたくても、しゃべれないから誰も相手にしてくれない。そうしてどうしようか悩んだあげく、するめになって、自分の身体を矢印にして、聞くことにしたのかもしれない。僕も海外で言葉が通じない時、手で方向を指し示して、道を必死に聞いていたことを思い出した。するめになったら海には戻れないが、いかもその時の僕の気持ちに近くて、必死だったのかもしれない。